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計算通りのレース運び?
 かくしてレースの火蓋は切られた。前夜にエンジンとミッションの積み替えのため、徹夜をしたメカニックの皆さんや、手伝いをしてくださったボランティアチームの皆さんも、それぞれの持ち場に就いたり、片づけをしたりと、穏やかにレースが始まったように見えた。が、当のスタートドライバーは苦闘の真っ只中にいた。

ストレートに入ってペースカーがピットロードに入る頃になると、隊列がザワザワッと微妙に崩れ、にわかにスピードが上がってくる。少しずつ加速しながら、前の車に着いて行く。徐々にスピードが上がっていくが、決して前位の車を抜かしてはいけない。隊列が崩れずコントロールタワーに近づくと、タワーのランプがグリーンに変わる。とっ、一斉にアクセルが踏み込まれる。
 コントロールラインを越したとたんに、前のNプラスのライバルたちが前にすっ飛んで行き、先頭のばかっ速いポルシェたちはもう1コーナーに届いている。後からクラス3の速い車がすーーっと前に出てくる。左から赤いフェアレディZ、白いBMW、右からシルバーのZ、私の17番は車の群れに埋もれて、幅10センチぐらいまで迫られ攻められている。それでもまだ、怖いとは思っていない。
これから24時間も走り続ける彼らだって、この時点で絶対接触したくないはずで、車と車の間が10センチになっても、絶対にぶつかっては来ない。1コーナーに入った頃には、白いBMWがアウトから抜きにかかってくるが、とりあえずインでがんばる。でも、がんばったってパワーが全く違うので、強引に外から抜いていく。なすすべもない。ここまでは当たり前の事なので、許せる。
 しかし、しかし、その後からクラス4のS2000やインテグラ達まで、私に襲い掛かってくるのだ。「お前らは、行くなっ〜〜〜っ!」と怒鳴りながら、必死にアクセルを踏むが、全くついていけない。この時点で、初めて頭に血が上った。格下であるはずのクラス4が、いとも簡単に私の車を抜いていくのは許せなかった。それでも、次から次へとクラス4に抜かされ、3周目の1コーナーにかかった頃には、後ろには3台しかいなかった(実はこのレースでのクラス4は、本当に上位に出てくるほど速かった)。
 悔しさと、情けなさで、「ちくしょ〜〜っ」と、ヘルメットの中で怒鳴ってみるものの、そんなものは何の足しにもなりはしない。いつの間にか、私は一人旅になっていた。
ツライツライ一人旅。


24時間の時間配分
 12時間時計が二周回。これを3名か4名のドライバーで繋いでいく。決勝結果の記録では、完走34台中で最も長い時間コースで格闘していたのはトップでチェッカーを受けたクラス1のファルケン・ポルシェの荒聖治選手(02年にル・マン7位他)。何と10時間44分あまり418周も運転していた。既にコースは脳にインプットされ、体が勝手にコーナーに反応しているとしか思えない。
 我がキーパー with RUNUPはドライバー4名。先発の谷社長から引き継ぐ第二ドライバーは百戦錬磨の総監督兼の田中篤選手。
田中選手もまた、フリー走行でコースを読みきっていたのか数周回で安定走行を始め巡回、およそ二時間のドライビングを難なく終え、午後六時過ぎ、石川朗選手にバトンタッチ。石川選手は12歳からカートに乗り始め、F3、F3000(TEAM LE MANS)、GT選手権などを走っている正真正銘のプロドライバーだが、一方でキックボクシングのJネットワークでプロとして活躍もしている異色のドライバーでもある。甘いマスクに熱狂的なファンも少なくないが、素顔はひょうきん?石川選手の周回中は、まるで休憩時間のようなムードが漂うピット内。サインマン担当のアイ・タック技研開発部新鋭(?)増田クンが証言する。「すごいんですよ、石川選手は何周回も同タイムなんですよ。選手にタイムを報せるサインボード、数字を変えなくてもいいんですからぁ!」と甚くご感心・・・。
 さて、日もどっぷり暮れて本格的な夜間走行。午後八時過ぎ、次なるドライバーは快洗隊社長畠中選手。ここに魔の手が掴みかかった。本大会我がチーム最大のピンチ?

 畠中は相変わらずいいペースで走っている。一度、ピット前を通過したことを確かめて、しばらくしてからカメラを構えた。しかし、なかなか来ない。1コーナーのコース外に止まっているらしい。
「リペアエリア」に運ばれる?パンク?パンクだけなら簡単だ。しかし、足回りにダメージを受けたとも言っている。
 とりあえず、メカニックの人達が、大量の工具類と思いつくだけのパーツを持ってリペアエリアに走る。待つことしばらく、レッカー車に前を吊り上げられた17番インテグラが、畠中付きで帰ってきた。
思ったよりひどい。左前輪が上を向いてしまっている。普段ならば文句なしのリタイアだ。車から降りてきた畠中選手は、真っ直ぐ田中監督の元に行く。田中監督「最終コーナーライン外したろ!」
畠中選手「イヤイヤ、ホントに本当に外してないですよ。」「最終コーナー走ったとき、ちょっとフラっとしたんですよ。ダンパーが抜けたのかな?って思って、それで、ストレートでどうしようと思いながら、走ってたら、少しフニャとした感じしてて、第1コーナーで突然パッーンってパンクしたんです。で、そのままガッガッガッてコース上に、止まったんです。すいません。」

 魔の手は怖いほどにざっくりと我らのインテグラに噛み付いていた。総力を結集して2時間弱、17番インテグラはコースに復帰した。

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