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Vol:44 2005年5月31日発行
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アクアキーパー特集 5・6月号集中掲載

流行のガラスコーティング、ホンモノで勝負(1)
ウォータースポットが付きやすい?

 このガラスを塗装上にコーティングする技術には、大まかに2種類ある。

 一つは、無機物のガラスをシランカップリング剤を介して、有機物である塗装に密着させる方法。シランカップリング剤とは、無機物にくっつく基と有機物にくっつく基を持っていて、無機物と有機物の間を仲介して、その両者をくっつける役割(カップリング)を持っている。塗装上にスプレーガンなどで散布し(塗る方法もある)瞬間的にSiO2をくっつける。以後、空気中の湿気としての水分によって、SiO2は不規則な結晶(ガラス結合)が進み、ガラスとして硬化して行く。この過程で、コーティング表面に水がかかったりすると、その部分だけ反応が急激に進んでムラになり、そのままでは修復不能となる。このような場合は、ガラスコーティングを削り取って(困難な作業)、あるいは強烈に強い薬物によって溶かしとって、施工をやり直すことになる。

 また、塗布時での密着の反応も急激なものであって、作業途中で中断したり、ホコリなどが入り込んでしまうと、ムラになったりゴミがコーティングの中に残ってしまい、美観が損なわれる。多くの場合、外部と遮断されたブースの中で、入念な研磨による塗装表面の前処理としての平滑化と、車の隙間に入った水の完全な排除が必要で、作業環境と、熟練した技術者による長時間の作業が必要である。そのため、誰でもどこでも施工できるものではなく、施工料金が非常に高いことと相まって、普及の大きな障害となっている。

 しかし、この種のコーティングは数ミクロンもの厚い被膜を形成することになるので、塗装表面の凸凹を十分にカバーすることになり、今までのワックスとかポリマーなどの有機物を使ったコーティング剤をものよりも、数段優れた艶を得ることが出来る。

 また、8H・9Hなどという非常に高い表面硬度を持っていて、しかも厚い被膜の形成によって磨耗による傷が非常に入りにくく、傷が入っても厚みによってそれが目立たない特徴を持っている。

 ただ、もう一つの欠点として、ウォータースポットが着き易いものがあるという点がある。
ウォータースポット(水輪紋とも言う)とは、洗車での水、雨などに含まれているカルシウム(Ca)・マグネシウム(Mg)などの無機物であるミネラル分が、水と一緒に塗装上に残り、洗車後(雨後)それを拭き上げないと、水が乾燥する過程で塗装上に濃縮され、乾ききった時に、輪状に硬く固まってしまった物。一度付着すると、洗車・雨のたびに、その縁にまた蓄積していって、非常に硬く頑固な汚れとなる。

 シランカップリング剤を使ったぶ厚い被膜のガラスコーティングは、このミネラル分が残りやすくなって、非常に頑固なウォータースポットが出来やすいものが多いと聞く。

 分厚いガラスコーティングは、頑固なウォータースポットが着きやすくなった訳なので、洗車の時は必ず拭き上げること。雨が降ったあとも、自然に乾いてしまうようなことを避けることが必要なようで、これは大変面倒なことだ。

 作業環境と技術難度の問題と共に、このウォータースポットの問題が、この方式を我が社が採用しなかった大きな問題点でもある。
ところが最近、SiO2の被膜上に特殊な仕掛けを加える事によって、このウォータースポットの付着を防ぐ技術が開発されつつある。私達の開発部も、その技術を一般的な技術に進化させることを試みている。(今はここまでしか言えない。)
施工しやすくノートラブルのナノテクガラスコーティング

もう一つのガラスコーティングの方法は『アクアキーパー』が採用している、ナノテクノロジー・ガラスコーティングの方式。
 その方法とは、まず、SiO2と硼酸を中心とした成分で焼き固められたセラミックスの粒を筒にぎっしりと詰め、その中に水を通してSiO2と硼酸を溶け出させる。その水を、ある圧力で塗装面上にぶつけると表面に静電気が置き、メッキの原理で硼酸が塗装にくっつき、それが導きとなってSiO2が塗装上にくっついていく。SiO2は、塗装上にカビが生えたように(表現が悪いが)くっついて、塗装面を覆う。

 覆うと言っても、シランカップリング剤で着けたガラスのように塗装を密閉するように覆うわけではない。カビが生えたように(やっぱり表現が悪いが)、塗装の表面もある程度出ていながら、ガラスの不規則な結晶が塗装を覆うのだ。
これで、塗装上の性質は、ガラスの表面の性質のようになる。つまり、有機物である塗装のように汚れを引き寄せることなく、つまり汚れにくくなり、汚れても汚れを洗い流しやすくなる。というより、雨が降っただけでもかなりキレイになってしまうほどの性質になる。

 こんな不思議な現象は化学的なイメージではどうしても理解し難いのだが、無機の世界の科学での現象で、その結果を原子間電子顕微鏡での写真とかで見たり、実際にアクアキーパーを施した車を洗車してみると、納得をせざるを得ない。
 このカビが生えたようなSiO2の被膜は、一週間程度の時間を経て、空気中の二酸化炭素の力、(触媒的)を借りて不規則な結晶化が進み、つまりガラスとなって強い(カビの生えたような)被膜となる。

 その被膜は、20〜30ナノ(1ナノとは1/1000ミクロン)の厚みしかなく、その表面硬度は、塗装の表面硬度に依存することになる。しかし、そのコーティング作業は、専用のブースを必要とするわけでもなく、特殊な技術を要するわけでもない。下地となる塗装を専用のノンシリコン研磨剤によってきれいに研磨して、アクアキーパーの水をぶつけるだけである。

 だから、施工の失敗もほとんどあり得ず、板金塗装をしなければならない場合などでも、通常の塗装研磨でコーティングを除去し、塗装が出来る有機の表面に戻すことが出来る。

 私たちは、その無機のガラスコーティングの良さも、ユーザーの好みによっては有益であり、普及すべきものとして、施工が容易で失敗がない方法であるアクアキーパーの方式を選択した。ウォータースポットも、表面がガラス100%のものよりもはるかに着き難いことは実績としてある。

珪素「系」コーティングの実体

 では、冒頭に言った「珪素形コーティング」とは、実際にはどのようなものであったのか。
 かなり名の売れたブランドの珪素系コーティングと称するものには、ごく普通の、一般にコーティング剤に使用されているシリコーンを界面活性剤によって水の中に分散させたものもあった。他の製品も、同じような方向のものが多くあった。
 もう一つのタイプにシリコンレジン系が考えられる。

 内容的にはシリコン塗料タイプでモノマーが空気中の水分で架橋して3次元に架橋重合するタイプだ。これは厚い被膜を形成するので非常に滑らかな艶を作り得るのだが、SiO2のガラス状態の被膜とは違い、それほど硬い被膜にはならず、造り出された艶もそれほど長くは持たない。

 このようなシリコーンとは、たしかに珪素の元素を持ったポリマーであり、珪素を持っているから、珪素系コーティングという呼び名は冒頭にあったように、「あの人は、生物系の人物である。」と言っていることとあまり変わらないように思える。

 そういう意味で言えば、ファイナル1も、ホワイトロンも、ベースアップ2も、ハイパーコートも、ベースコートも、180コートだってそのバインダーに、いっそのことベストブラックだって、爆白だって、RA-300だって、その成分に珪素元素を持った色々な形の材料を含んでいるので、「珪素系コーティング」と言うことだって出来る。
 もちろん、そんな呼び方が間違っていることは百も承知なので、そんな風に呼ぶことは出来ないし、しない。
次号にてこの続きを
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