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●道路運送法改正
  2002年2月、道路運送法が改正され、規制緩和の波が押し寄せた。供給過剰なタクシー業界において、業界への参入撤退が自由化されたものの、業界の利権を巡って、新参に圧力をかける現実は見て取れる。




 商売は競争である。新参を潰す策略のみでは、これもまた生き残れないので、時代の変化に応じ、各社ともサービスの枠を広げる努力をしていて、例えば介護資格を持つ乗務員を配備するとか、メッセンジャーサービス(荷物の即時配達)、買い物代行と配達、警備事業といった、単純にお客を乗せることに留まらず、車を使う必然のあることすべてに目を向け始めたのだ。



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 京都に本社のあるMKタクシーは、価格破壊と、ホテルのドアマンのようなバカに丁寧な応対で世間にアピールしているが、最近この会社が地域限定で試験サービスを始めたのが、お抱え運転手もどきサービスである。




車両位置が即座に判るGPS(全地球測位システム)とCTI(コンピューター・電話統合)とに対応した配車システムで、携帯電話でインターネットに接続し、最も近い位置にいるタクシーを探す仕組みだ。「プライベートショーファーサービス」と名付けられたこのサービスがより進化し、タクシーと顧客の間で詳細な情報が共有できれば、乗りたいところでタクシーを待ち、ほどなくやってきたタクシーに何も告げずとも、自宅まで連れていってくれるという有り難いシステムだ。




 MKタクシーの社長は、「規制緩和で価格競争は激化しているが、顧客の感覚というものは安さにすぐ慣れる。では、次ぎに何をすべきかということになる。安全、親切、安価ではタクシーはタクシーで終わってしまう。ブランドイメージを確立するには商品の質を高めるしかない。我々の商品はドライバーだ。」GPS導入で、客の最も近くにいる空車が特定可能になる。が、ここに乗務員の意識が伴っていなければ、道具は道具に過ぎなくなる。




 基本に沿った営業姿勢を守ることで、乗務するドライバーの所得向上に繋がるという意識付け、そういった教育が幅広いサービスをこなしていく基本となると、この会社は考えているのである。
 近距離を頼むと乗車拒否をされた時代は、バブルと共に去った。何のサービスを提供する商売なのかを忘れていたタクシー会社も、厳しい環境にさらされ、再び開眼したと言えよう。
 
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