今回当社代表3名がドイツを約1週間訪問した。ドイツに行ったのは、SONAXの製品をじっくりと経験するため。
私たち自身の製品は、キーパーシリーズを含め、すべてオリジナルで開発したものばかり。
既成の商品では(私たちのポリシーを実現するためには)、性能的に飽き足らず、ほとんどすべての商品を自主開発してきた。
しかし、ひとつの製品を、妥協無く開発するのには、大変な手間隙がかかる。
1アイテムについて、ほぼ3ヶ月は必要だ。それでも10年近くの間に、30アイテムぐらいはやってきただろうか。
しかし、洗車(というよりも)、車をキレイにすることは、実に幅広いことで、ユーザーの幅広い欲求を満たしていくには、もっともっと、色々なキレイに対応できる力を付けていかねばと、かねてから考えていた。しかし、そのすべてを、自主開発のみでやっていくことにも、限界を感じ始めてもいた。
そこで、今以上のラインナップを充実させるために、これを補完する意味での、提携先を探していたのだ。
その候補がドイツのケミカルメーカー“SONAX”。なぜ、それがSONAXなのか、いろいろな要素があるが、まず第1に、一つ一つの商品に個性を感じたこと。
ごくごく一般的な商品にでも、何らかのポリシーを感じたのだ。そして、ドイツから、開発担当者Dr.ピッチが、アイ・タックを訪れてくれた時、トレーニングセンターでディスカッションをして、その能力と、信念に、少なからず共感を持ったこと。言葉は、直接は通じないが、開発については、かなり通じ合うものがあると感じたこと。
思考回路に類似性を感じたこと。
商品ラインナップはさすがに豊富で、何百種類かある。
しかし、カタログを取り寄せて翻訳して読んでも、サンプルを取り寄せて自分たちなりにテストをしてみても、よく解からない。
「こりゃ、だめか?」と何度も思ったが、このまま、「大したことはない」と、片付けてしまうには、何か、違う気がして、結局、「ドイツに行って、作った人のやり方をじっくりと見て、体験しなければ、こりゃ、何も分からん。ドイツのものを日本人の感性のまま使っても、本来のものが出せていない。とにかく、1度ドイツへ行こう!」と、言うことで、結局、来てしまったのだ。
ドイツ、ミュンヘンから北に50kmぐらい来たところに、NEUBURG(ノイブルグ)という町があって、そこに、今回の目的であるSONAXの本社であり工場がある。
名古屋空港からフランクフルト空港。45分のアクセスで、フランクフルトからミュンヘンに飛び、そこから、車でアウトバーンを通りノイブルグに向かう。
道中の景色は北海道の帯広を思わせた。広大な畑に白壁と、赤茶色の瓦。犬山の“リトルワールド”で見たことのあるドイツバイエルン地方の農家の家。それが、どの家を見ても版を押したように同じ造りだ。
ドイツの高速道路“アウトバーン”は、どこをどれだけ走っても無料。3車線が基本で、制限速度なし、見事なまでにフラットな舗装で、そこを200kmで走る。ホントに200km!以上で走る。乗せてもらった車は、BMWの5シリーズボディーのディーゼル!ノイブルグの町は、まるで、おとぎばなしをそのまま現実にしたような、メルヘンそのものの町であった。

SONAXの工場は、玄関に日の丸を掲げて私たちを歓迎してくれていた。
SONAXとは、ドイツ最大の自動車ケミカルのメーカーで、ドイツ国内では50%以上のシェアを持っている。世界にも広く輸出していて、F1のB.A.Rホンダのスポンサーもやっている。
工場は、歴史のある会社だけあった古いものだが、生産設備は、想像以上に近代化されたすばらしいものであった。日本では、あまり知名度は無いが、世界的なメーカーの一つであることは間違いない。
こちらに来て、たくさんの種類のものについて「聞いて」「見て」「やってみて」、納得いくまで、しつこく、しつこく聞いた。あまりにも、しつこく聞いたり、やったりしたので、SONAXのスタッフと、一時、険悪なムードになるぐらいだった。
それでも私達は、せっかく来たのだから。それに、実際に使う人たちのことを考えると、安易に妥協はしたくなかったので、やはり、しつこく聞いた。そして、やった。
その結果、やはり来てみて、直接聞いたり、見たり、やったりして、そのことで分かったことが、いっぱいあった。来て良かった、の実感。
これから面白いことが、いっぱい出来るという実感。
[SONAX]このメーカー面白いですよ。と言っても、私たちはドライブショップに並んでいるSONAXの製品を、そのまま使う気は全く無い。業務用としての性能的な注文をいっぱいつけ、また、私たちの持っているノウハウも活かして、より性能
の高い業務用ケミカルを低コストで提供していきたいと考えています。
そして、車の美装について、キーパー製品だけでは埋め切れなかった部分をきっちりと補完し、より完璧な美装システムを完成していきます。
SONAXとの提携商品は、来年の2月以降に皆さんにご紹介できる予定です。
    

   SONAXとは

    ホフマン企業グループの中核をなす会社。
そして、そのホフマンとは、世界で一番初めにコンパウンドを開発した会社で、ドイツ・ノイブルグに、その原料となる「珪藻土」の鉱山を持っている。
第2次大戦前から存在している古〜い会社。SONAXは、大戦後、そのコンパウンドを原料に、数々のカーケア・ヒット商品を生み出し、その社長が2代目、3代目と更新するにつれ、界面活性剤、ワックスなどの開発能力にトップレベルのものを持つカーケア・ケミカルのスペシャリストとして発展した。
現在、ドイツ国内では50%のシェアを持ち、ヨーロッパをはじめとして、世界各国への輸出にも大きな力を持っている。
歴史のある古い会社ではあるが、工場の生産設備は、非常に近代化されていた。生産におけるほとんどの工程を、すべて自工場内でまかなってしまっている。

1.原料の仕入れの内、研磨剤の類は自分の 鉱山から搬入・加工製造。その他の原料の 搬入・保管
2.原料の品質をチェックするための実験室と システム製造された製品の品質管理のた めの実験室
3.製品の開発研究、及びテストのための設備

 研究所の設備は非常に充実しており、レヘ ルの高い研究員が揃っていた(研究室の 撮影は、出来なかった)
 ※低温状態で  のウィンド清浄テスト 装置(テストの評価 はデジタルで出される)
 ※実車で色々な実験を行う設備、テストするのに非常に楽な環境が作ってあった。
 しかも、テスト専属の作業スタッフが2名いた。

4.ケミカル製造のための設備も近代化された すばらしいものであった。
5.容器の製造

 容器の製造まで生産工場内で行っている 工場は初めて見た。そしてその容器は、実 に良く考えられており、
 自社開発、自社製造 の強みがうかがわれる。

6.製品の充填
 液体製品のボトルへの充填。エアゾールの 充填。すべてのことが外注に出されることな く自工場内で行われ
 ていた
7.製品の梱包、発送
 これらの設備で特筆すべきは、容器の製造 から充填、梱包まで、ほぼ自動化されており、 作業スタッフの数
 は極端に少ないことだ ここまですべての製造段階を自工場内でま かない、それが自動化されていると、品質
 の管理の徹底が出来ることと、コストでの競争 力が高いことは間違いないだろう。
 ※広大な工場群は、写真に写っているもの の5倍はある

SONAXにもディテーリングの直営部門があった。この作業環境は明るくすばらしいものであり、見習う点が多かった。ケミカルメーカーとして直営店を持っているか、いないかは、実はその製品に大きな違いがあると思う。私たちも、快洗隊の存在が製品の完成度に大きくものをいっていることを痛感している。その意味でもSONAXは、よく分かっている様だ。
直営店「SONAXサービス」の気のよいスタッフ。
そして何より、研究スタッフの要であるDr.ピッチの存在。
彼の姿勢は、非常に実践的であり、好感が持て私たちのオーダーに違和感がなかったこと。
これから、お互いのノウハウで、どういう製品を作り出していくか、苦労があるとは思うが、大変楽しみである。