洗車マーケティングを考える
 

マーケティングという言葉がある。辞書をひくと「市場活動する」と出てくるが、単純に言えば「成功する商いのやりかた」である。SSでの洗車を成功させるためには、どのようなマーケティング=市場活動が必要なのか、検証してみよう。


洗車を成功させるには「洗車好きを増やすこと」が一番大切。

洗車好きを増やす。
耳慣れない言葉だが、この言葉で洗車マーケティングを言い尽くしたい。
洗車好き=キレイ好きという意味だが、より多くの人が、より多くの回数洗車し、しかも高額商品を購入してくれれば洗車での売上はおのずと向上する。
わかりきっているようなこの状態を作り出すためにどんな活動をすればよいのか?
他業種に目を向けるとファミコンが一番顕著な例だろう。
ハードメーカーがハードを売るためにはソフトを充実させ「ゲーム好き」を増やすことに腐心する。
家電メーカーのAV機器も「音楽好き」「映画好き」を増やすことに一生懸命だ。
洗車という商品も「洗車したい」という欲求が消費者の心に湧き上がってこそ売れる商品である。ここでは一軒一軒の店の活動の中で、どうすれば「洗車好き」が増やせるか?
何が必要か?
について述べてみたい。


洗車好きを増やすには、「成功体験が一番」

洗車は物販と違い、仕上がった状態が商品である。
マッサージや、美容院、医療と同じである。
これを拡販しようとするなら、買う時にモノがある物販とは異なり「頼んでよかった」という成功体験を積み重ねる以外ない。
そのためには、消費者が望む洗車は何なのか?
という輪郭をはっきりさせなければならない。

【洗車好きになる要素=キレイになること】
洗車は車を洗う手間が商品なのではなく、キレイになることが商品である。
洗車機で洗ったり、手で洗ったり、撥水コートをかけること。ではなく、キレイになったかどうかが消費者にとっての価値である。
消費者が、納得、満足するキレイは価格とのバランスであるので、高ければ売れないとか安ければ売れるという図式は一切あてはまらない。

感動 感心 満足 納得 無感情 後悔
誰もが消費したときに無意識に分類するこの心理状態の中で、最低限、納得以上のものを提供しつづければ「また洗車してもらおう」という洗車好きが増えるし、無感情、後悔という感情を抱かせれば「二度と洗車しない」と思うだろう。

【洗車好きになる要素=良い気分で待てること】
SSでの洗車は待ち時間が基本的に必要である。
この待ち時間をどう過ごせるかということも商品の一部である。
洗車で30〜1時間という待ち時間を「苦痛に感じる」ことがあれば、いくら良いものでも買いたくならない。理想を言えば飲食施設をもつか、近くにあること。
無い場合でも本やインターネットで時間をつぶせること。
待つ場所の中に苦痛なものが無いことである。雰囲気、温度、音、匂い、他人との関わり方、などの【空間条件】と、「あと何分待てばよいのか」の【時間条件】を把握させてあげることである。
これらは洗車販売をする上で、商品の品質そのものと同じだと考えても構わないくらい重要なことである。

【洗車好きになる要素=商品を選べること】
高度成長期当時とは異なり、消費者の価値観は今やバラバラである。
これを正面からとらえ、何でも揃うコンビニエンスな洗車が求められる。
水で洗う。ワックス洗車する。
この二つは、あくまで基本形として考え、もっと美しくなる洗車(キーパーや超撥水コート)困ったことを解決できる洗車(アラカルト商品や室内清掃)を創意工夫しながら造ることが求められる。
「こんなこともしてくれるんだ」という発見があると差別化は、さらに明確になる。
あるべき一つの姿として、消費者が平気な顔をして「ガラスの撥水コートだけして欲しい」と頼めるような店ができるとよいのではないだろうか。
この3点を押さえると消費者の心の中に「自分で欲しいものを選び、待つ時間がイヤでなく、仕上がった車がキレイになっている」という喜びが生まれる。これが洗車好きになる源であり、全てであるといっても過言ではない。


洗車マーケティングに基づく販促とは

洗車の販売促進に求められるものは「この店に行けば、自分の車がキレイになる洗車がある」という気持ちを予感させることが必要となる。

快洗隊専用 B4チラシ

きれいで整理されたビジュアル、わかりやすいコメント
があってはじめて良く効くチラシになる
そのためには、「どんな、いい洗車があるか?」をイメージできるビジュアルと説明が必要であり、「そのいい洗車がいくらなのか?」をきちっと伝える必要がある。
単に品名と価格だけが表示され、それがいくら安いものであっても価値観が伝わらなければ、洗車は売れない。


キーパーリーフレット

キーパーの特徴や性能をきっちりとわかりやすく
表現するから、支持される。


快洗隊専用 室内清掃解説ボード

室内清掃でもここまできちんと解説できる

洗車の販促は消費者の気持ちを「そそる」ことが出来ないと機能しない。
長年キーパーの販促に携わり、近年、快洗隊で学ばせてもらう中、明確に見えてきたものは、こういうことであった。
これから先もどんどん変化するであろう「洗車マーケティング」を模索し、「洗車好き」が増えるような後押しをしてハイパフォーマンスでありながらローコストな洗車販促を展開していきたい。