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●「洗車」はSSの商習慣にとらわれない商品
 お客様の車に対して、「適時かつ適切なアドバイス」による「良質な商品」を「適切な価格(適切な価格ならば他店より安い必要はない!)」で「適切に販売」することが、多くの顧客の信用につながる。それが、商売の決定的な生命線である“高いリピート率”の獲得となり、利益を大きくするものである。
イメージ画像 当然、私たちはSSという仕事に誇りを持っている。「燃料の供給」という社会的な任務を持ち、「お客様の安全と、不自由のないカーライフを、支えている」という誇りだ。
 誇りを持って「やらなくてはなりません」というアドバイスの形で、主体的に働きかけることによって「売ってきた」。 ところが、これは商売としては非常に特殊なこと。一般的な商売(サービス業を含めて)で、商品とは「売る側」が「売る」ものではなくて、「買う側」が自分の意思で「買う」ものなのだ。「買う側」が、自分で「選んで」「欲しい」と思ったものを「買う」のが普通の構図。だから、買う「必要はない」が「欲しい」から「買う」商品、例えばカーコンポであり、超扁平タイヤであり、高級ホィール、今で言えばカーナビや、エアロパーツなど、あくまでも買う側の嗜好によって買われる商品は、SSにおいては、ほぼことごとく販売に失敗してきた。


イメージ画像  では「洗車」はどうなのか。
(※「洗車」とは、車をきれいにすること全体を指す)
 車のきれいさは、「買う側」の好みによって非常に広い幅を持つ。その広い幅を持つ洗車商品のうち、SSでは「汚れたから、洗う」「洗わないといけないから洗う」購買層をターゲットとして洗車を販売してきた。この客層の、洗車に対する購買動機は、洗車を“必要商品”と考えている層なのではないだろうか。
 この客層の購買動機とは、オイル交換をする動機、車検を受ける動機、バッテリーを変える動機と類似していて、これは、ガソリンスタンドが一番得意としている「必要を売る」商売ではないか。

 それはそれでいい。そのような一部の「買う側」の動機に合った商品は商品として、商売としての意味が十分にある。ここまでは、「売る側」が「売る」で通用する。


 しかし、洗車に対する「買う側」の嗜好の幅は、ものすごく広く深い。その必要商品としてのSS洗車を、半分以上の人は「欲しい」とは思っていない(消費者アンケートによれば)それも現実である。SS洗車をほしいと思っていない人達は、車に対する感情、車に対する価値観、感性が「洗車=必要商品」と考えている客層とは、明らかに違うのである。「キチンときれいにしたい」「丁寧に洗いたい」「隅々まできれいにしたい」「洗うだけではなく、キチンと磨いてやりたい」「水垢が我慢できない」「絶対に傷をつけたくない」「機械に車を触らせたくない」「普通のきれいさでは、私の車はかわいそうだ」書き出せばきりがない。
 では、そんな人たちに対して提供されている洗車商品が、SSに今まであったのだろうか?答えは「ほとんど無い」である。なぜ、無かったのだろうか。なぜ「買う側」の幅広い欲求に「選ばれる」洗車が無かったのだろうか。


 ガソリンスタンドは、その元々の商売の性格が「必要を売る」商売。特殊な商売であって、「買う側」の感性を考えて選ばれるべき商品を作り出す商売ではなかった。だからそう言えるのではないだろうか。
「買う側」から選ばれる商品とは何かと、「買う側」の好みに、耳を澄まし、目を凝らす習慣が無かった。そう言えるのではないだろうか。
 では、どうすればいいのか。洗車は、特殊な必要商品ではなく、ごく普通の商品・サービス商品なのだから、特殊なスタンドの商売習慣、都合にとらわれず「商品(物・サービス)が売れるかどうかは」「買う側の気持ち・価値観・都合次第」「売る側の都合はまったく関係ない」この商売の原則を適用することである。
 
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