先般、財団法人〔日本塗装検査協会〕に依頼してあった「ハイパーコートの酸性水・塩に対する耐久性」の試験の結果が出た。
酸性水に対する試験は、ハイパーコートを塗布した鉄板と、何も塗っていない鉄板の上に、樹脂で“土手”を作り、その内側に、酸性雨に似せて作った硫酸を薄めたもの、つまり希硫酸をそそぎ、小さな“池”を作った。(酸性雨とは、亜硫酸ガスSO3が雲を作っている水分に溶け込み硫酸H2SO4になったものが主成分)
その結果は、写真の通り。
何も塗っていない鉄板は見事に茶色く錆びてしまったが、ハイパーコートがコーティングしてある鉄板は、錆がほとんど出ていない。
酸性雨は、大きな社会問題である。その酸性雨に対してアイ・タック技研のハイパーコート、およびその同系統のベースコートなどが、車に対する酸性雨被害防止に有効であることが実証されたわけだ。
また、同じように塩水を使った実験でも、同様の結果が出た。


※円部分は塗装をはがした部分。

北海道などの厳冬地では、冬の積雪時、道路に融雪剤を大量に散布する。以前はスパイクタイヤが使用できたので、融雪剤はまかなかったのだが、粉塵公害でスパイクタイヤが禁止され、スタッドレスタイヤになってから、雪が踏み固められミラーバーンと呼ばれるテカテカに光るものすごく滑る路面になって事故が多発した。そこで融雪剤の散布となったわけだが、その当時は塩化カルシウムを撒いた。がしかし、この融雪剤はコストが掛かる。ということで登場したのが塩化ナトリウム、つまり食塩だ。もちろん精製した綺麗なものではなく、安い「岩塩」。


※白く残っているのが塩の結晶

北海道・東北・信越・北陸など雪が多い地方では、まともに塩を車に付けて走っているのである。これでは、下回りはたまったものではない。ある車メーカーの技術部の人がおっしゃるには、「今までほとんどなかった錆のクレームが、塩を撒くようになってから激増した。」と言う。
こんな過酷な状況の中で、ハイパーコートと、それに類するベースコートなどが塩害に対して有効であることが実証されたのだ。このことは、今年の冬を迎える前の季節に、ユーザーに訴え、皆さんの販売促進に力を入れて行きたい。